2022.9.5
【9月19日は敬老の日 鶴と亀がおめでたい理由とは?】御菓子所高木コラム2022年9月号
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9月10日のお月見の次にやってくる秋のイベントと言えば9月19日㈪の敬老の日です。2021年のコラムでは敬老の日の由来やおすすめのプレゼントを取り上げました。
この中にも登場する鶴と亀は一般に広くおめでたい長寿の象徴として知られていますが、その理由をご存知ですか?今回のコラムでは鶴と亀の不思議について取り上げていきます。
◇鶴と亀がセットで用いられる理由
元来、鶴と亀を縁起の良いものとする文化は日本で生まれたものではありません。古代中国の書に「鶴は千年 亀は万年の寿命をもつ」とする言い伝えが残されています。この考えが日本に伝わったことで日本でも鶴と亀は長寿を象徴する縁起の良いものとして知られる事となりました。
では果たして鶴と亀は本当に長生きするのでしょうか?
鶴といっても種類によって寿命が大きく異なります。一般的に鶴といわれてイメージするタンチョウツルの平均寿命は20~30年とされ、動物園で飼育されていると80歳程度まで長生きする事もあるそうです。一般的な鳥の寿命は数年~10年程度である事を考えると鶴は鳥類の中では長寿の部類に入るのでしょう。
一方で、亀もかなり長生きをする動物です。ペットとして身近なミドリガメでも40~50歳、ゾウガメは80~100歳、ワニガメは150歳を超える寿命をもつと言います。記録上の最高齢の亀はダーウィンがガラパゴス諸島から連れて帰ったガラパゴスゾウガメのハリエットで175歳とされていますが、長寿が故にきちんとした記録が残っていない事も多いようです。例えばアルダブラゾウガメのアドワイチャは250年以上生きていたとされており、現在の最高齢で同じくアルダブラゾウガメのエスメラルダは推定200歳以上だとされていますがこれらの記録は公式のものではないそうです。
江戸時代でも平均寿命は30~40歳といわれているので、当時の人から見るとどちらもとても長生きする動物だと思えたに違いません。
◇鶴の縁起が良い理由
鶴は夫婦仲が良く、鳥類にしては珍しく生涯夫婦で連れ添います。したがって、つがいの鶴は良い夫婦仲の象徴とされ、結婚式などでもそのモチーフがよく用いられます。
また、平和や快気を祈る千羽鶴も鶴がモチーフとなっています。室町時代に長寿の願いを込めておりづるが折られたことがきっかけとなり、その後江戸時代に現在のような千羽鶴が作られるようになったそうです。
さらに、「鶴の一声」ということわざにもあるように鶴の鳴き声は高音で遠くまで響きます。その鳴き声は天にも届く声とされており、天界に通ずる鳥と考えられてきました。
◇亀の縁起が良い理由
亀は古代中国の頃の言い伝えで、仙人が住む逢莱山(ほうらいさん)の使いをしていたと言われており、その頃から知恵と長寿を象徴するおめでたい動物として知られていました。
地球の形がまだ謎に包まれていた時代には、ドーム型をした地球を巨大な4頭の象が支え、さらにその象たちをもっと巨大な亀が支えていると信じられていたことから不動の象徴とする地域もあるそうです。
御菓子所高木の看板商品として知られている【鶴亀もなか】も、鶴と亀がおめでたいものであることから戦後復興の広島を元気づけようと名づけられたものです。なんとなく長寿やおめでたいイメージを持つ鶴と亀ですが、こうして調べてみると様々な言い伝えや動物としての特徴に由来するものだったのだとわかりました。
コラムで学んだことと「亀の甲より年の劫」ということわざを頭に置いて、今年の敬老の日をお祝いしたいと思います。ホームページでは敬老の日におすすめするお菓子の紹介を行っております。ぜひこちらも参考になさってください。
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