2022.1.8
銘菓探訪vol.3【雨後の月×羊羹×バウムクーヘン ひろしま吟醸菓酒々誕生秘話】
いつも御菓子所高木オンラインショップをご愛顧いただきましてありがとうございます。
肌寒い時期になるとお酒好きな方がついつい飲みたくなるのは温かい日本酒ではないでしょうか?この時期旬を迎える脂ののった魚と日本酒…想像するだけでうずうずしてまいります。
さて、皆さんはそんな日本酒を使った和風バウムクーヘン【ひろしま吟醸菓酒々】をご存知でしょうか?【ひろしま吟醸菓酒々】は広島・呉の銘酒 純米大吟醸「雨後の月」の酒粕を使ったバウムクーヘン生地で、同じく「雨後の月」の酒粕を加えた羊羹をサンドしたノンアルコールの新しいタイプのお菓子です。
羊羹×日本酒×バウムクーヘン。こうしてみると不思議だと思える組み合わせですが実はそれぞれに背景がございます。今回のコラムではこれらの「なぜ?」について深堀してまいります。
◆なぜ日本酒?
日本酒のおいしい地域がどこかと申しますと、お米の取れる東北や北陸を思い浮かべる方も多いかもしれません。ですが、日本3大酒どころと言えば京都・兵庫そして広島の3ヶ所が挙げられます。
広島の酒どころで名前が挙がるのは、毎年酒まつりが行われる東広島市 西条でしょう。しかし今回紹介する「雨後の月」が生まれたのは西条に負けず劣らず質の高い日本酒を作る呉市 仁方です。この仁方にある相原酒造では名水と呼ばれる野呂山の伏流水を使っています。この「雨後の月」というお酒は、徳富廬花の随筆「自然と人生」の一節「雨あがりの空に、冴え冴えと光り輝く月が明るく周りを照らす」というから、澄みきって美しい酒を造りたいという2代目相原格氏の思いから名付けられたそうです。
日本酒としては甘口で飲みやすいのが特徴で、日本酒を味わえる広島県内の多くのお店で楽しむ事ができます。
開発段階では広島の主要な日本酒の酒粕をいくつも使って羊羹や生地を試作しましたが、この純米大吟醸「雨後の月」の酒粕を使ったものが最も香り高くお菓子に加工するのにふさわしかったため採用に至りました。頬張ったその瞬間からしっかりと香りが感じられながらも柔らかい印象がするのは純米大吟醸「雨後の月」の酒粕だからこそでしょう。
◆なぜバウムクーヘン?
いまでは一般的なバウムクーヘンですが、日本で初めてバウムクーヘンが焼かれたのはどこかご存知ですか?なんとそれは広島県にある似島という島でドイツ人捕虜として捕らえられていたカール・ユーハイムが、1919年広島県物産陳列館(現・原爆ドーム)で行われたドイツ人捕虜のつくる作品展示会にて製造販売したのが最初だったそうです。奇しくも同年左官町(現・十日市町)にて御菓子所高木も茶寮として営業を開始するわけですが、それから約100年経過した2017年に【ひろしま吟醸菓酒々】は生まれます。
バウムクーヘンの弱点はどうしてもパサパサしてしまう事です。そこで軟らかめに仕上げた羊羹をサンドする事でこの弱点を補い、よりしっとりとした食感に仕上げております。
◆まとめ
【ひろしま吟醸菓酒々】は同じ広島の土地で「酒造」と「和菓子」という異なる分野で重ねてきた技術と伝統を、洋菓子であるバウムクーヘン生地と和菓子である羊羹の層で表現しております。このような背景を知ってみると、羊羹×日本酒×バウムクーヘンというのは広島という土地を介してなるべくしてなった組み合わせだと言えるかもしれません。
【ひろしま吟醸菓酒々】はノンアルコールのお菓子のため、リモートワークに励む社会人の方にも妊娠・授乳中でお酒を飲むことが出来ない日本酒派のお母さんにも安心して召し上がっていただく事ができます。お酒が好きだけど今は飲めないと言う方、お酒も甘いものもどっちも好き!と言う方には大変おすすめのお菓子でございます。
※【ひろしま吟醸菓酒々】と同じく、冬限定の【鶴亀もなか 酒あん】にも純米大吟醸「雨後の月」の酒粕が使用されております。
オンラインショップならびに店頭にて皆様のご来店をお待ちしております。
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